夕べ
ヘッセの詩集に「夕べ」という一節があるのですが、とても好きな詩の一つです。
略
私が奴隷になってやっている私の夜の仕事も、
世界の精神には欠かされないのだ。
それにも意味はある。
それで私はあちこちと歩き、
心の中で踊り、
ばからしい俗歌を口ずさみ、
神と自分をほめたたえ、
ブドウ酒を飲んでは、
自分はトルコ総監だと空想し、
腎臓に不安を感じ、微笑しては、もっと飲み、
(あすは、こうはいかないが)
きょうは、自分の心の動きを肯定し、
過去の苦痛から手慰みに一つの詩を紡ぎだし、
月と星がめぐるのを見、
その意味をほのかにうかがい、
自分が月や星と一緒に旅するのを感じる、
どこへ行くかは、かまったことではない。
時代は違えど非常に共感できました。
悩みを抱え、酒に逃げ(オナニーに逃げ)、明日はきっと良くなっていると信じ込み、
眠りにつくとまた何も変わらない今日がやってくる。
そんな心情を表した素晴らしい詩です。
この詩が私の根底にあるので、オナニーという重圧に押しつぶされずに何とか生きています。